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2005年5月26日 (木)

「面白半分」快人列伝

○2005年5月26日
「面白半分」快人列伝(佐藤嘉尚・平凡社新書)

 「面白半分」は、1971年から1980年にかけて出された雑誌である。吉行淳之介、野坂昭如、開高健などそうそうたる作家12人が6ヶ月間、順番に編集長をしていたのである。
 この雑誌の創刊から倒産に至るまでの経緯は、少し前にでた集英社新書の「『面白半分』の作家たち」に書かれている。
 立て続けに出てくる二番煎じ風の新書であるし、活字も大きく、スカスカな本で、さほど、期待しないで、時間つぶしと思いながら、読み始めた。
 ここでは、「面白半分」にかかわった快人・怪人たちの話であるが、「四畳半襖の下張り」の掲載により、野坂と佐藤がわいせつ罪に問われた裁判の顛末と、常連執筆者であった詩人金子光晴の破天荒な生き様が面白かった。
 最近になってこの手の本を読むことが多い。ノスタルジックな気分で、自分の青春時代を思いだしている側面もないではないのだが、彼らが、若気のいたりというか、世の中に体当たりでぶつかっていたときに、自分は何をしていたのだろうか、こういう人生の選択もあったのにとの思いが重なってくる。
 あとがきにある金子光晴の「頬っぺた」というまごのことをうたった詩の一節がいい。

   「つめたいのは、風ばかりではない。
    若葉は知るまいが、一あし出れば、
    ふれさせたくないことでいっぱいだ。」

 破天荒で、無頼、でもか、だからかは、分からないが、金子のナイーブな感性が伝わってくる。
 今更ながら、詩を読むのもいいかなと思い出した。

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