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2005年5月10日 (火)

Jポップの心象風景

○200年5月10日(火)
 宇賀陽弘道の『Jポップの心象風景」(文藝新書)読了。
 この本で取り上げられている歌手は、桑田佳祐、松任谷由実、GLAY、ザ・ブルーハーツ、草野マサムネ、浜崎あゆみ、椎名林檎、そしてB’zである。
 正直なところ、この歌手の名前を見ても、メロディが浮かんでくるのは、桑田佳祐、松任谷由実、そして、椎名林檎がかすかにその声が聞こえてくる程度である。
 この本は、後書きにあるように、Jポップの解説本ではなく、「Jポップという窓からのぞいた現代日本人の心象風景」を描き出すことを目的としているが、Jポップ・ファンの心情というよりも、大人が子どもの好きなJポップを外から分析したという風情の本である。私が理解できないというか、頭の中にメロディが流れて来ないという限界上の問題かもしれないが、面白かったのは、桑田佳祐、松任谷由実、椎名林檎、そして、GLAYの項である。と言うより、音の聞こえてこない歌については語るものはないとしかいいようがないのである。この状況は、大人の側の理解能力というか感性が欠けているのか、それとも、歌い手自身の表現能力が劣っているのかは議論のあるところであろう。
 とりあえず、こんな表現に、共感を覚えてしまった。
 桑田佳祐について
 「大胆な表現をすれば、意識しているかどうかは別として、桑田は『植民地化された湘南の土着民の視点にいるのではないか。』(p35)
 松任谷由美について
 「ユーミンは、大衆が経験しながら言葉にできない感情を、歌に乗せて言葉にする。すなわち、「ふつうの人間に聞くことのできない『心の発する声お』に耳を傾け、」それを誰にでも理解できるような『言葉』と『歌』に翻訳し、表現するの媒介者が彼女なのだ。そんなユーミンは『現代日本のシャーマン』なのだ、と私は思う。(p67)
 椎名林檎について
 「これから成人しようとする若い彼女たちは、選ばなくてはならないのだ。『伝統的な社会規範に沿った女性』として生きるのか、そうしないのかを。つまり、『母』になるのか、ならないのかを決めなくてはならないのだ。もし伝統的社会規範と決別し、自我を確立していこうとするなら、彼女たちがまずやらなくてはならないのは「自分の内なる母」を殺すことだ。(p201)

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