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2005年7月20日 (水)

『月下の狙撃者』 

○2005年7月20日(水))
 『月下の狙撃者』 ウィリアム・K・クルーガー (文春文庫)

 ”1 世界は苛酷だ。強くなれ。
    2 愛はほんの少数のためのものだ。期待するな。
    3 人生はフェアではない。だが、フェアな人間はいる。その一人になれ。”
   
    大統領夫人を警護するシークレット・サービスの特別捜査官ボー・トーセン、母をいきずりの男に殺され、ストリート・キッドになって盗みを働き、仲間たちを養っていたという経歴を持つ男の信条である。
 
  ”おれは世界中のたくさんの教会に入ったことがある。このキリスト教というやつを理解しようとしてな。聞け。『キリストの兵士は、敵を殺して罪をおかすことや、自分が殺されて滅びることをおそれずに、主イエス・キリストの戦いを遂行する・・・・殺しても、それはキリストのおんためである。死んでも、それはみずからのためである』。カトリックの聖人の言葉だ。”
 
   対するは、大統領夫人の暗殺を謀るナイトメアは、地下に幽閉され、爆弾魔である祖父の手助けをさせられていた少年時代、祖父と母の近親相姦を知り、殺害したという過去をもつ男が語りかける言葉である。
 
   大統領夫人を護る者と狙う者の二人の男の戦いという常套手段の展開は小説の半ばで一段落をとげてしまう。
   中途半端になったこの話を最後までどう引っ張っていくのかと思いきや、後半は、大がかりな陰謀物語になっていく。二人の男の秘められた過去が明らかになり、最後は、二人の対決ということにあるのだが・・・というストーリーの展開はひとひねりされていて、面白かった。
   陰謀物語の方は若干物足りなかったのだが、先の二人の信条と言葉が気に入ったので、合格点である。
   それにしても、トーセンのストイックな信条は、どこかで、格好良く使ってみたい衝動に駆られるし、ナイトメアの言葉も誰かに投げつけてみたいと夢想している。
   

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