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2005年8月20日 (土)

『君たちに明日はない』 

○2005年8月20日(土)
    『君たちに明日はない』 垣根涼介 新潮社
   
  ブラジル移民として棄民をされた日本人の日本政府に対する復讐の物語『ワイルド・ソウル』のことを書こうと思っている内に、『君たちに明日はない』を読み終えてしまった。大藪春彦賞、吉川英治新人賞、日本推理作家協会賞の三賞を取った「ワイルド・ソウル」は、流行りのテロ小説かと思わせながらの痛快なピカレスク譚で、しかも、しっかりと日本政府の棄民政策を描いていた。この感性といい、筆力といい、期待の作家である。
『君たちに明日はない』は、リストラを専門に請け負う会社の村上真介が主人公の話。真介の仕事は、リストラの対象となった社員と面接をし、あの手、この手の説得の策を試み、面接相手に退職を選択させていく。
  深刻な内容になりそうなところを一歩踏み止まり、面接相手の年上の女性と恋に落ちたり、田舎の同級生を面接することになったりと、さわやかさをもったエンターテイメントに仕上がっている。
  大藪春彦の存在は影が薄くなってきたが、大藪春彦賞は要注意の賞といえる。

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受信: 2005年9月30日 (金) 22時47分

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