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2005年8月25日 (木)

『ビー・クール』

○2005年8月25日(木)
    『ビー・クール』 エルモア・レナード 小学館文庫
    ”おれは最初にプロットを考えてから、そこに登場人物たちをはめ込むようなことはしない、ってことなんだ。それよりはまず、いろいろな登場人物たちのイメージを描く。それから彼らがどこにおれを導いていくかを見きわめるだよ。”(p10)

     マフィアに関わりのある高利貸しであったチリ・パーマは、映画好きが高じて、貸し金の取り立てに来たハリウッドで、映画のプロデューサーになってしまったというのが、エルモア・レナードの「ゲット・ショーティ」(1990年)であるが,『ビー・クール』(1999年)は、この続編である。
     前作の映画化で、ジョン・トラボルタがチリを演じていたが、続編も、ジョン・トラボルタの主演で映画となり、9月には公開されるらしい。この文庫にも、映画のスチール写真が着いている。
     チリは、食事を共にしていたレコード会社の社長が射たれる現場を目撃する。高利貸しから映画プロデューサーになったチリは、デートサービスの電話で知り合った女性のイメージを膨らませて、映画を作ろうとしていた。
     チリの映画作りは、冒頭のチリの言葉の通り、映画に登場するキャラクターをイメージしていくことから始まるのだが、エルモア・レナードの小説作りも同様に、きちっとしたプロットを作っていくというより、登場人物のキャラクターを作りながら、筋を展開させていく。黒沢明の「用心棒」が敵対する陣営の間をあっちに行ったり、こっちに来たりして、自滅に導いていくように、チリも、ひょうひょうと敵の攻撃を切り抜けていく。
     この本を書いたときのレナードは75歳とのこと、この筆致を枯れたというのであろうか。レコード業界の裏話も面白いし、トラボルタの演技を想像しながらついつい読んでしまった。その上、エアロスミスが実名が登場したり、使われる歌詞も、実際に作曲を依頼したものだという、お遊びも満載。きっと、映画にも登場するのだろう。

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