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2005年11月 6日 (日)

『ミステリー・アラスカ』

○2005年11月6日(日)
 『ミステリー・アラスカ』 ジェイ・ローチ監督 1999年

 タイトル・バックがいい。アラスカの高地のハイウェイを独りの男が走っている。いや、走っているのではなく、スケーティングをしている。ハイウェイの表面は凍っている。朝日に輝いているハイウェイは、絶好のスケートリンクである。
 中古店のDVDの棚を眺めていたら、ミステリーという文字が目についた。だが、ミステリ映画ではなく、アラスカのミステリーという街が舞台のアイスホッケーの映画であった。
 ミステリーでは、アイスホッケーが盛んで毎週のように、試合が開かれている。ホッケー場は氷が張った池の上である。スポーツ・イラストレイテッド誌に、NHLクラスのチームとする記事が掲載されて、町は沸いている。
 ラッセル・クロウ演じる保安官はホッケーチームのリーダーであるが、監督である町長に、若手との交代を告げられる。おりしも、町出身のスポーツ・ジャーナリストのハンク・アザリアが、ニューヨーク・レインジャーズが来て、地元のチームと対戦するという話を持ってくる。
 最後、レインジャーズと試合することになるのだが、オフでの試合はできないとするプロチームと裁判になったり、クロウの妻がスポーツジャーナリストと高校時代のガールフレンドだったりなど、小さな町の人間模様を織り交ながら、話は進んで行く。

 よくある話なのだが、戸外に作られたスケートリンクでの練習風景を観ていると、こども時代を過ごした北海道での光景が蘇ってきた。
 零下30度になることも珍しくないその町では、道路や学校のグランドの雪が凍り、絶好のスケート場になった。スケートといっても今のように靴と一体のものではない。長靴にスケート部分を取り付け、革ひもでとめたものである。氷といっても、昼になり気温が上がると、表面はザラメ雪状になる。ただ、滑るというだけであったが、楽しかった。
 
 この映画は、スポーツとは、本来、プリミティブなもの、身体を動かする原初的な遊びなのだということを思い出させてくれた。この映画をつまらないと観る人は、スポーツの本当の楽しさを身体感覚で捉えることができないのだと、断言したくなる。
 アイスホッケーの映画としては、ミネアポリスの町の子供達のチームを描いた「とべないアヒル」(スティーブン・ヘレク監督、1992年)があった。これは、都会の戸外での練習風景に、同じような身体感覚を感じたことを思い出した。
 それに、ぎらぎらしていたバート・レイノルズが格好よく老けていた。彼を観るだけでも楽しめる映画であった。

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