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2005年12月 5日 (月)

『 片目のジャック』

○2005年12月5日

『 片目のジャック』 マーロン・ブランド監督

 マーロン・ブランドといえば、ゴッドファーザーのドン・コルレオーネとか地獄の黙示録のカーツ大佐のイメージが浮かぶように、独特の存在感がある俳優である。 マーロン・ブランドが監督・主演をした『片目のジャック』も、ブランドらしい片鱗が みえる怪作である。そういえば、「八月十五夜の茶屋」も怪作であった。 銀行強盗を働いたリオ(マーロン・ブランド)とダッド(カール・マルデン)は、追っ手に追いつめられる。馬を撃たれ、代わりの馬を連れてくる約束をして、山を下りたダッドは戻らず、リオは捕らえられる。 脱獄したリオは仲間と銀行強盗を働くため、モントレイの町を訪れる。その町の保安官こそ、金を持ち逃げしたダッドであった・・・と話は進む。 話の合間に、リオの女たらしぶりがカットバックされるのだが、透き通るような青い目のブランドの若き2枚目ぶりにはどきっとされる。しかし、手のひらを返すように、女をあしざまに扱うようすには、後年のブランドのあくの強い雰囲気の片鱗がみえる。 ダッドの住む家は、町のはずれの海岸のそばにある。白い砂浜が登場する西部劇も珍しい。モントレイとあるから、カリフォルニアの高級リゾートのペブルビーチのあるモントレイ半島かなのかと、「世界の映画ロケ地大事典」を開いてみたら、ペブルビーチのサイプレス・ポイントの北のビーチで撮影されたとあり、この映画のオリジナル脚本を書いたサム・ペキンパが降板し、監督もスンタリー・キューブリックからブランドに代わったとあった。この二人がどこまで、関与していたのか、この映画に二人の名残が残っているのかどうかと思うと、この怪作の所以がさらに興味深く思えてくる。 透き通るような青い目のブランドが女に言い寄るロマンチックな風情から、一転して、非常な男に変わっていく。観客をぐっと引き寄せるのだが、最後、ぐいっと突き放してしまう。ここが、ブランドのブランドたる所以なのかもしれない。

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