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2006年1月 7日 (土)

『隣の芝生はPon Poco Pon』 

○2006年1月6日(木)

 『隣の芝生はPon Poco Pon』 
             Kids Dancers Family(Show Case Vol.)

 昨日と今日の2日間、ごんどうけん、泉岡 まさよさん夫婦が主宰するKidsダンサーズ・ファミリーのミュージカル『隣の芝生はPon Poco Pon』の公演が西東京市のこもれびホールで行われた。
 こもれびホールで行われた「こどもミュージカルワークショップ」に参加した子供たちを中心に、1999年に「Kidsダンサーズ」が発足し、ミュージカルを行うようになり、今回が、4回目の公演である。
 今年、高校1年になった娘は、このミュージカルにゲスト出演しているWest Fan Juniorに所属して、ダンスを踊っていた。
 普段は、内向的で、目立つことを嫌がる娘は、初めて自分から好きになり、やりたいと思ったものだとして、ダンスに熱中している。
 毎日、かかさず、柔軟体操をし、時折、ジョギングもするようになった。
 毎週の練習を終えた後、ごんどうさんと色々話をするのも楽しみのようである。みんな、ごんどうさんではなく、「けんちゃん」とよんでいる。
 大人と、面と向かってまじめに話すことも少ない最近の中学生にとって、けんちゃんは、大人への窓口という存在にもなっている。普段はやさしいのだが、ダンスやミュージカルの稽古となると非常に厳しいのだが、けんちゃんのいうことであれば素直に耳を傾けている。
 娘は、高校に進学したとき、中学で始めた部活をやめて、Kidsのグループに入り、ダンスに専念したいと言い出した。部活をすることも大事とは思ったが、本人の選択に任せるしかなかった。
 野球やサッカーの場合も同様であるが、子ども達の活動には、親たち、とりわけ母親たちの協力が不可欠である。練習場所の確保、会費の徴収等々しなければならないことが数多くある。
 ただ、親たちが一生懸命になればなるほどなのだが、子ども達にとって、そこに行けば、ダンスができて、発表会があるという楽しい場を与えられ、指示されたことに従っていればいいと場になってしまう側面もある。
 ミュージカルともなれば、主役もいれば、せりふもない子どもたちもいる。公演のための稽古に入る前には、配役のためのオーディションが行われる。当然、選ぶということの裏には、選ばれないという面がある。
 当初、小学生であった子ども達も高校生となり、今回の公演は、小学生から高校生、総勢110数人の出演となった。
 まあちゃん(泉岡まさ代さんのこと)が作る脚本は、できるだけ、全員が力を発揮するように作られていて、いわゆる端役の子どもがでないように工夫されている。しかし、鑑賞に堪える作品のためには、華のある役もあれば、日の当たらない役もでてくる。
だから、配役が決まるにあたっては、皆の中には、主役になって当然と思う子どもいれば、落胆している子どもいることは想像に難くない。
 このようなことを通して、世の中を知っていくものもいいものである。
 歌舞伎の世界でも、馬の足になる人がいなくなってきたと、憂えるの簡単だが、足に成り切れというのも難しい。
 明日、準決勝の高校サッカーでも、敗者がいなければ、勝者はいない。端役がいなければ、主役が映える舞台も成立しない。このことを、主役も含めて、みんなが知るようになってほしいと思っている。
 そして、ひとつのミュージカルでも、脚本家、演出家、舞台美術家などの協力必要だし、舞台裏には、照明、音響の専門家の人たちもいる。子どもたちには、このような仕事にも興味をもってほしいとも思っていた。
 
 高校生が多くなることにより、こどもの劇というレベルを少し超えて、厚みがでてきた。高校生が、小中学生の中で、おばさん役やおじさん役を演じても違和感なかった。
 歌唱力もあがっていた。ダンスも、これだけの人数が一挙に舞台に登場する中、統率がとれ、一人一人の技量もあがっていた。
 ゲネプロに始まり、3回の本公演すべてを観た。ストーリーは、人間に生活の場所を奪われた子ダヌキが、人間の子どもたちと協力して、危機に陥ったミュージック・スクールを助けるという話。「キャバレー」、「アニーよ、銃をとれ」、「フットールース」などのミュージカル曲や、アバやブルース・ブラザースのヒット曲が詞を変えて、非常にうまく織り込まれている。
 1回ごとに、目に見えて、子ども達が成長している。その都度、ダメだしもされていたようではあったが、不都合なせりふの変更も無難にこなしていたし、ちょっとしたミスもさりげなくカバーする余裕もあった。

 今朝、撮影を許されていた昨日のゲネプロの写真をパソコンの画面上で見た。娘が家では見せない笑顔で踊っている。200枚近くの写真の中の子どもたちの表情は生き生きとしている。何年も観ていると、自分の子どもより、1年振りに見る子どもの成長がよくわかる。

 今日の昼の公演の後、けんちゃんとロビーで立ち話をした。高校生達が、小さい子の面倒をよくみてくれていると喜んでいた。
 昨年の公演の後、毎年、ミュージカルでドラムの演奏をしてもらっている深見洋さんのジャズ・ライブのスポットで、偶然、けんちゃんと話をする機会があった。子どもたちが、けんちゃんの引き出しの中にあるもの、そのために、勉強していることを、もっと、好奇心をもたせてほしい。それには、ただ、お稽古に行くということではなく、舞台をつくるためのいろいろなことを経験させてほしいとお願いした。

 今回、高校生の子どもたちは、小学生の子どもの稽古につきあったり、舞台作りに少し参加するようになった。この子たちが、経験を積みながら、大学生になり、社会人になれば、地域の本物の劇団になっていくかもしれない。
 けんちゃんと話した僅かな時間の間に、このようなことを思い、最後の公演を観ることにした。
 
 夜の9時過ぎに家に帰り、ビールを飲みながら読んだ夕刊に、前田美波里の大きな写真とインタービュー記事がでていた。今、公演しているミュージカル「グランドホテル」のことだった。彼女は、中学の同級生で、机を並べたことがある。資生堂のポスター写真をまぶしい思いで眺めたのは高校生のときであった。
 彼女が出た「コーラス・ライン」を、小学生の娘と観に行ったことを思い出した。久し振りに、彼女の出る「グランドホテル」を観に行こうかと思った。

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