« 『究極のライフル ハイパーショット』 | トップページ | 『容疑者Xの献身』 »

2006年2月 4日 (土)

『隣のマフィア』

○2006年2月4日(土)
    『隣のマフィア』    トニーノ・ブナキスタ   文春文庫

 東京駅発の午前9時13分発の新幹線に乗った。一時、緩んださむさが、ここ数日、ぶりかえしている。このところの忙しさにゆっくりしたい週末であるが、明日、広島で開かれるフォーラムに出席するので、早めに出かけて、広島のホテルでのんびりしようとかんがえての早立ちである。
 2時間もたつといささかくたびれてくる。
 数日前に読み始めた『隣りのマフィア』にてこずっている。
 文庫で260ページほどの薄い小説であるし、既視感のあるプロットや場面展開なのにである。
 マフィアのボスであったジョヴァンニ・マンゾーニは、自身の罪を免れるために司法当局と取引をし、証人となり、東海岸を支配するボスたちを投獄させた。以来、マンゾーニ一家は、ブレイク一家はとなり、FBIの証人保護プログラムのもとで生活をしている。
マフィアの復讐の手を逃れて、フランスの片田舎で、静かに暮らそうとするのだが、マフィアの生き方が染み付いているブレイクは何かと騒ぎを引き起こしてしまう。
 隣りにマフィアが引っ越してきたことからのてんやわんやを描いたものとしては、ネルソン・デニルの「ゴールド・コースト」という傑作があるし、題名を忘れたが、自叙伝を書こうとしている引退したマフィアをめぐるドタバタのミステリもあった。
 映画「隣りのヒットマン」も、隣りに越してきたマフィアの殺し屋をめぐってのコメディ映画であったが、極め付きは、映画「グッドフェローズ」で、自分の命を救うために、兄貴分を裏切り、証人保護プログラム下に入った男の物語である。
 作家を気取ったブレイクは、「グッドフェローズ」に関する講演をするはめになり、善良このうえない町の人たちに、本気になってマフィアの日常生活を語っていくあたりは抱腹してしまった。
 軽い話の中に、イタリア人気質のニューヨーク子と片田舎のフランス人という対比があちこちにちりばめられているので、軽く、流し読みというわけにはいかなかったが、面白い1冊であった。

 午後1時過ぎにたどり着いた広島は、ちらちらと雪が舞っていた。
 ホテルにチェックインをしてから、広島ならば、まずはお好み焼きと思い、外に出るが、寒さが身に染みるので、遠出はやめて近くのビルの7階にある店のカウンターに座った。壁のメニューには、広島風と関西風とがあったので、肉のそばを頼んだ。目の前の鉄板に、薄く皮を延ばし、キャベツをのせ、しばらくしてから、鉄板で温めたそばをのせる。さらに、肉をのせ、薄く焼いた卵焼きをのってできあがりである。
 中に、数個の牡蛎がふっくらと入っていて、牡蛎の味がなんともいえなかった。
 広島に来ているという実感がわいてきた。

 

|

« 『究極のライフル ハイパーショット』 | トップページ | 『容疑者Xの献身』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『隣のマフィア』:

« 『究極のライフル ハイパーショット』 | トップページ | 『容疑者Xの献身』 »