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2006年3月24日 (金)

『ミステリー資料館』

○2006年3月23日(金)

『ミステリー資料館』

池袋の西口に行く用事があり、車ででかけた。山手通りから、駅の方に入って行くと、左手に光文社ビルが見えてきた。入り口に、シェラザード文化財団とミステリー資料館の看板がある。館長の権田萬治さんが、毎週金曜日に来られていることを思いだし、仕事が終わった後、電話をした。是非、お寄りくださいという快い返事に、財団の事務所に伺った。
 権田さんは、その昔、「感傷の効用」というミステリー評論を書いている。40年以上の前のことである。その名前を、品川のテニス・スクールの受付で見かけた。私の終わった後の時間であり、気になりながらも、顔を会わすことはなかったのだが、東京創元社のパーティでお目にかかり、挨拶をしたことから、時折、品川で顔をあわすようになり、権田さんのHPをときおり見るようになった。
権田さんは、専修大学でメディア学の教えていたが、この3月をもって定年退職された。このところ、研究室に置いていた書籍を片付ける必要に迫られて、肉体労働の日々だったらしい。
応接のソファに座るなり、東野圭吾の「容疑者xの献身」をどう思いますかと聞かれたので、推理小説としても、恋愛小説としても中途半端で、直木賞の受賞作といわれてもピンとこない、と返事をすると、あの作品がミステリーとして素晴らしいのだという世間の評価ができてしまうマイナス面を気にされていた。同感である。
 光文社ビルの1階ロビーの右側が財団の事務室、左側が資料館の展示室と開架式の書棚が並んでいる。それほど、広いスペースではないが、「新青年」「宝石」などのバックナンバーが並んでいる。
展示スペースでは、日本ミステリー大賞を受賞した赤川次郎さんの本や写真が展示されていた。
 会員登録をして、1回300円の閲覧料金を払うようになっている。こじんまりとしたスペースだが、たまには、昔のミステリー雑誌を眺めながら時間を過ごすのもいいのではないだろうか。土曜日も開館しているが、ビルの正面の入り口は閉まっているので、裏口から入るようになっているとのことであった。
 権田さんは、これから、松本清張論をまとめるために、邪馬台国の本を読んでいるという。紀田さんと同じ年齢というから、今年、古希ということになるが、まだまだ好奇心と活力に満ちていて、こちらまで元気をもらい、心地よい昼下がりの一時を過ごした。
 後日、権田さんのHPをみると、この日は来客がおおかったようなのだが、そのような素振りもなく、歓待してもらい、あらためて、頭の下がる思いをした。

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