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2006年4月 9日 (日)

『進めジャガーズ・敵前上陸』

○2006年4月7日(金)

『進めジャガーズ・敵前上陸』 前田陽一監督

 同時代的に、グループ・サウンズを夢中になって聴いていたことはない。それでも、スパイダースやタイガース、ワイルドワンズのサウンドの響きは、記憶の底にあり、ラジオから流れてくると、懐かしい思いが沸いてくる。
 ジャガーズの主演する映画『敵前上陸』のDVDを観たのは、脚本・中原弓彦とあったからである。
 金曜の夜、眠気にうとうとしながら観ていたので、この映画の全貌を見たと確信できないのだが、一言でいうと、DVDの裏の解説にある超カルト的怪作というキャッチが的確な表現といわざるを得ない。超カルトも怪作も、とりようによって、さまざまな意味合いにとることもできるのであるから、なんら批評になっていないのだが、それだけ、なんとも評しようがない映画であった。
 冒頭、五重の塔を模したようなホテルの2階か3階のベランダで、ジャガーズが演奏をしている。階下の芝生では、若者たちが踊っている。階上のベランダでは、若き中村晃子が踊っている。
 五重の塔のようなホテルに既視感があるのだが、どこにあるホテルなのか、思い出せないでいたが、ドリームランド・ホテルという文字がでてきた。大船にあったドリームランドのホテルである。この映画が作られたのは1968年である。
 ドリームランドが取り壊され、マンションか何かが建ったというニュースを聞いたのは何時のことであっただろうかという思いにかられていると、悪漢役で、てんぷくトリオの三波伸介が登場してくる。トリオの一人であった伊東四朗は、ジャガーズのバンドボーイ役なのだが、若き日の伊東が妙につるつるのっぺりとしているのが印象的である。
 ここらへんから、少し眠ってしまったので、話が飛んでしまうのだが、映画の方も脈絡なく筋がとんでいるので、居眠りをして見逃した場面がどの程度なのかはよく分らないのだが、突然、ジャガーズや悪漢たちが、硫黄島に上陸している。
 日本の敗戦を知らない日本兵が登場してくる。日本兵に、敗戦後の日本の状況を話すのだが、戦後の出来事のモノクロの写真がカットバックされ、皇太子(現在の天皇)と美智子妃のご成婚の写真まででてくるのだから、驚きである。
 ヒッチコック・マガジンの編集長をしていた中原弓彦は、作家の小林信彦のことであるが、小林の『60年代日記』の1967年12月6日に、「HELP!」のようなものをと頼まれて書いたシノプシスを、前田陽一、面白いという、とある。翌年の3月14日に、「進め! ジャガーズ 敵前上陸」というひどい題名になった、としている。その間、「虹色の湖」がヒットした中村晃子を使えと、松竹が前田にいってきたとの記載があるのみで、格別、脚本を書いたような気配はない。シノプシスがどの程度のものかは、分らないが、脚本は前田陽一が書いているように思われる。ただ、この程度の映画で、詳細なシナリオを書くことはなく、シノプシスに沿って映画を作っていったということも考えられるので、断定はできない。
 そういえば、雑誌PENの4月15日号は、「心を揺さぶるグラフィックの宝庫 雑誌のデザイン」の特集であるが、中原弓彦の編集になるヒッチコック・マガジンの全50巻セットが52,500円という古書情報が掲載されている。
 この号には、1962年に刊行され、たった4号で幕を閉じた「EROS」という雑誌を紹介する見開きの頁がある。黒人男性と白人女性が肌を寄せ合うヌード写真の美しさは、今、見てもはっとさせられる。

 

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