« 『イノセント』 | トップページ | 『大地の芸術祭・妻有トリエンナーレ』 »

2006年9月 3日 (日)

ワイルド・ウェスト・ファン・ジュニア・ショー

2006年9月3日

ワイルド・ウェスト・ファン・ジュニア・ショー

 ごんどうけんさん、泉岡まさよさん夫妻(みんなは、けんちゃん、まーちゃんとよんでいる。)が主宰する子どもたちのダンス・グループ、ウェスト・ファン・ジュニアの第1回公演を西東京市民会館に観にでかけた。

ウェスト・ファンから同じくごんどうさんたちが主宰しているキッズ・ダンサーズに移った高2の娘たち5人組は、夏休み中、ウェスト・ファンの子ども達の稽古に参加し、お手伝いをしていた。

小学校1年生から、中学生までの総勢80人の子どもたちに、それぞれ数曲のダンスを教える作業は大変だったらしい。いくつかのグループに分かれて、稽古をしているので、先生が教えている間、小さい子の相手をしたり、振りを教えたりし、なかなかできずに居残り稽古をしている子の練習につきあったりしていたという。

 娘たちも、友情出演ということで、一曲、踊った。

今回は、自分たちで、曲の選択から振り付けまでをしたという。けんちゃんたちも、小さい子の指導に追われて、娘達のダンスの指導にまで手がまわらなかったらしいが、ふりつけもよくでき、呼吸もあっていた。

 この手の活動は、会場の確保から、練習日程、公演の内容まで、指導者や保護者がいたれりつくせりの段取りをすることが多い。

けんちゃんたちは、公演をする以上、観客が楽しめるものではなければならないとしている。従って、結構、稽古も厳しいものらしい。

娘が行っているときのことしか知らないが、そこに来る子ども達は、与えられたものを消費するお客様となってしまっているような気がした。いわゆるお稽古ごとや塾通いと似たり、寄ったりなのである。一生懸命やっている子どもたちの姿を見るのは、親として嬉しい反面、これでいいのかなとも思っていた。

 娘は、小学生のころに、ダンスに通うになり、自分が好きだと思ったことは初めてだとして、高校生になると、学校の部活もやめてしまい、学校が終わると、キッズ・ダンサーズの練習に通うという生活をしている。

 昨年の夏から、暮れまでは、今年1月のミュージカル公演のための練習に明け暮れていた。1月の公演になると、ウェスト・ファンの稽古の手伝いということで、夏休みを忙しく過ごしていた。

 と、このように書いていると、いい娘のようにみえるかもしれないが、家では、私とは話をしようともしないし、私が帰宅すると、携帯電話を握り締め、居間にあるテレビをつけて、ソファーにころがっていることが多い。

 ダンスに夢中になるのもいいのだが、夢中になっている目先のことから、もっと広いことに興味を広げていってほしいと思っている。

それが、楽しいことを単に消費するだけの生活から、様々な世界を想像し、創造していくことに繋がっていくようになってほしいと願っている。

知的好奇心の連鎖が始まるとアメーバー状に世界がどんどんと広くなる

今回の公演でも、ピンクパンサーのテーマ曲で始まり、ジョン・レノンのCome Togetheやビリー・ジョエルの曲や、ウェスト・サイド・ストーリーなどのミュージカルナンバーがうまく使われている。

脚本をつくっているけんちゃんやまーちゃんたちの引き出しの広さには、いつも感心しているのだが、娘達が、ただ、踊るのだけではなく、けんちゃんたちの引き出しに、どういうものが入っているのだろうか、どこから集めてきたのだろうかという好奇心をもたないのだろうか、どうしてそこにいきつかないのだろうかと、不思議に思っている。

フィナーレで踊った「シング・シング・シング」にしても、数年前の女子高生バンドの映画で流行ったが、往年のジャズ・バンド、ベニー・グッドマン・オーケストラの名演がある。

 私の部屋にも、ウェスト・サイド・ストーリーのDVDもあるし、ビートルズやライオネル・ハンプトンがフィーチャリングされた「シング・シング・シング」のCDもある。関心をもてば何時でも観たり、聴いたりするチャンスはある。

舞台で使われた曲が、ミュージカルはどのような場面でつかわれたのかとか、そのときの振り付けはどうだったのかという興味がわいてもいいし、現代舞踊の方への好奇心が行ってもいい。

ビートルズやビリー・ジョエルに関心をもてば、彼らが作ったり、歌った別の曲や彼らが生きた時代に興味をもったりしないのだろうか。

私が中高生だったころには、インターネットなどという便利なものはなかった。ボブ・ディランが一躍スターになった頃、ボブ・ディランが影響を受けたとするウッディ・ガスリーやウィバーズのアルバムを都内のレコードショップを回って探したりした。ウッディ・ガスリーのレコードのライナーノーツを読んでいると、スタインベックの「怒りの葡萄」の映画や小説などへの関心も生じた。

ここに描かれた時代は、私が好きなハードボイルド・ミステリが生まれてきた時代背景と共通していた。

このように生じてくる好奇心の連鎖ほど、楽しいものはないのだが、こればかりは、外から強制できない。

今回の公演の手伝いをしたことをきっかけに、自分で考え、想像し、創造していく面白さに気がつけばいいのだがと、願っている。

 

 

|

« 『イノセント』 | トップページ | 『大地の芸術祭・妻有トリエンナーレ』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ワイルド・ウェスト・ファン・ジュニア・ショー:

« 『イノセント』 | トップページ | 『大地の芸術祭・妻有トリエンナーレ』 »