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2009年6月22日 (月)

『ミレニアム2 火と戯れる女』 スティーグ・ラーソン  早川書房

『ミレニアム2  火と戯れる女』 スティーグ・ラーソン  早川書房
2009年6月22日

 前作『ミレニアム1』の副題が『ドラゴン・タトゥーの女』となっていたが、前作では、背中にドラゴンのタトゥーを入れた女性調査員リスベットは、脇役的存在であった。
 2作目の『ミレニアム2』では、ミカエルと恋仲になったリスベットの2人の話を中心に展開すると思っていたが、予想が外れた。ただし、本作では、リスベットが話の中心となっている。
 
 冒頭、リスベットは、ミカエルの前から、姿を隠し、海外の旅にでかけてしまう。
 一方、月刊誌『ミレニアム』の発行責任者に戻ったミカエルとエリカは、ジャーナリストのダグとその恋人ミアが進める人身売買と強制売春の調査をもとに、特集号を刊行し、書籍を出版することを計画していた。ダグは、背後にいる謎の人物ザラを追いかけていた。
 旅行から帰ってきたリスベットも、ダグの調査を知り、独自にザラを追い始めるのだが、その矢先、何者かが、リスベットを拉致しようとした。
 そして、ダグとミアが殺害され、現場には、リスベットの指紋がついた拳銃が発見され、リスベットは殺人犯として指名手配される。

 というように、前作とは、趣の異なる活劇風に仕上がっている。
 ミカエルが書いた記事で、裁判沙汰になり、雑誌『ミレニアム』の存亡の危機に陥るというジャーナリストとしての矜恃がじっくり描かれていたが、本作ではそうした硬派の雰囲気が薄れている。
 それにしても、リスベットが役所のデータベースに入り込んだり、ミカエルたちのパソコンに潜入するなど、お手並みあざやかといったところだが、こうも簡単に入り込めるとなると、ミステリとしては安易ともいえるのだが、現実はこうなのだといわれてしまうと、どうなのだろうか・・・。
 いずれにしても、終章近くのリスベットの描き方は、アンフェアといっていいのではないだろうか。
 『ミレニアム3』では、ミレニアムの編集者から、大手誌に転身する決意をしたエリカとミレニアムのその後ということに、興味がそそられるところである。

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