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2010年6月11日 (金)

『キング&クイーン』  柳 広司

@2010年6月11日 『キング&クイーン』  柳 広司 講談社

 六本木、俳優座の脇の細い通りを一本入った雑居ビルの4階にある小さなカウンター・バー<ダズン>で、働く冬木安奈は、警視庁の元SP。父は、交番に勤務するきまじめな警察官であったが、非番のある日、酔っ払い同士の喧嘩を止めに入り、刺殺された。合気道、古武術を教える祖父は、安奈に、己の持てる技術、奥義を教え込んだ。
 SPになった安奈は、ある人物の警護をきっかけに警察を辞めたのだが、バーを訪れてきた宋蓮華に、元チェス世界王者の“天才”アンディ・ウォーカーを守ってほしいと頼まれる。ウォーカーは、アメリカ合衆国大統領に狙われているのだという。
 章ごとに、安奈が警察を辞めた経緯、不世出の世界チャンピオンになっていくウォーカーの生い立ちが順に描かれ、その合間に、ウォーカーをつけ狙う犯人と安奈との戦いが織り込まれている。安奈を、バックアップする元の上司の首藤たち・・・と、お膳立てが揃い、安奈の身を気遣う首藤に、安奈は、「”警察官の仕事は、目の前の困っている人絶対に見捨てないことだ”」が父の口癖であるとして、ウォーカーに「約束したのです。どんなことがあっても決して見捨てない、と」言い放つ。
 一瞬、新しいニューヒロインの登場かと期待した。
 しかし、チェスの才能を見いだされたウォーカーが世界チャンピオンになっていくあたりの描かれ方が平板となり、安奈と襲撃者の戦いがあっけなく終わり、襲撃の真相となると、ここでこんなことになるのとの思いだけが残ってしまった。
 ヒロインの設定が魅力的なので、再度、チャレンジしてほしいのだが・・・

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投稿: 藍色 | 2013年11月 6日 (水) 14時51分

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