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2011年10月23日 (日)

『ユーリンタウン』流山児★事務所

2011年10月16日 『ユーリンタウン』流山児★事務所
 日曜日の昼下がり、大学生の娘と息子の3人で、高円寺にある『座・高円寺』に、流山児祥演出のミュージカル『ユーリンタウン』を観にいった。
 事務所のそばにある「龍馬」という店で、バイトをしている今村洋一くんがでているミュージカル劇である。店に貼られたぱポスターには、別所哲也の横に今村くんがでている。主役? 準主役? いずれにしても、いい役のようである。
 家に帰り、大学生の娘に、『ユーリンタウン』を観にいかないかと誘ったら、このミュージカルに出ている林洋介くんと一緒にダンスのレッスンを受けているという。林くんは、ミュージカル・カンパニー「イッツ・フォーリーズ」にいて、娘のダンスの先生のごんどうけんさんが林くんを知っているという縁らしい。
 今年、大学生になった息子を誘うと、行くという。
そんなこんなで、久しぶりに娘と息子の3人で芝居を観に行くことになった次第。
 ここで妻がいないのは何故?といわれることがある。家族全員が一緒に出かけるというということを否定するつもはないが、いつも一緒に仲良くというのは、正直いって違和感がある。家族全員が一緒に出かけるということは、家の中の関係性をそのまま外に引きずっていくことになる。夫婦、親子、姉・弟の関係がそのまま続いていく。
 レストランに出かけて食事をする、芝居を観るということは、非日常の世界に入っていくことである。いつもと違う組み合わせで出かけると、外の風景が異なって見えてくる、家族の関係性も変わり、会話もいつもと違ってくる。

 高円寺の駅から徒歩で、5分程度の場所に、ザ・高円寺があった。
 右手にある入り口を入ると、がたいのいいガードマン風の男が立っていた。中に入っていくと、警官風の制服といっても、ショートパンツにへそがでている女の子がいる。どうやら、席につくところから、芝居が始まりだしているらしい。
 
 舞台は、干ばつにより、節水を余儀なくされている街の物語である。人々は有料公衆トイレの使用を義務付けられ、“立ちション”をすると、逮捕され、「ユーリンタウン」に送り込まれてしまう。トイレを管理しているのは、冷血クラウドが社長をしているUGC社である。今村くんの役は、立ちションをしたため、ユーリンタウンに送られてしまった父がいるビンボー・スットボケである。
 狂言回しは、警官ロックストックの別所哲也である。別所は、数年前に、日生劇場で上演した『ユーリンタウン』では、今村くんの役をしていたなどと、舞台では、楽屋落ち的な会話や芝居の先の筋書きをさりげなく語りかけたりと笑いを誘っていく。

 金がなくてトイレを使用できないため、ビンボーの父親は、立ちションをしたとして、「ユーリンタウン」に送られてしまう。ビンボーは、街で美しい娘ホッピーに出会い、自分の使命を悟る。自由を求めて「革命」を起こしたビンボーは、冷血クラウドとの戦いを始めるのだが、ホッピーは冷血クラウドの娘であった。

「ションベン」という言葉が飛び交い、「革命」を叫び、60年代に青春を過ごした世代にとって、聞き慣れたスローガンが飛び出してくる。アングラ演劇風の展開に、学生だった昔のことが頭の中をよぎっていた。学生運動の渦中にいなくても、何かが変わる、変えなければいけないという思いがあった。その思いもあっけなく消え去り、40年近く経ってしまった。若い人たちに占められた観客席を眺め渡していた。彼らは、この舞台に何を感じているのかなと考えていた。
 舞台では、ビンボーたちが冷血クラウドを倒し、革命が成功する。
 こんなストーリーの芝居なのと、少々、がっかりしていると、最後にもう一ひねりがあり、納得した。
 狭い舞台に、多人数の群舞も見応えがあった。「ラン、フリーダム、ラン」など、聞き覚えのある曲が何曲かあっり、楽しめた。

 家に帰って、この芝居の主催者で、演出家の流山児祥を調べてみると、1947年生まれとあった。60年代の青春の残滓が見え隠れしていた所以である。
 若い人にとっては、革命といえば、今年、フェイスブックを通じて、世界各地で起きた革命の方が身近な世界なのかもしれない。

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