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2013年7月 7日 (日)

『優作トーク』

『優作トーク』 山口 猛 (編集) 日本テレビ 1995年10月刊

 『優作トーク』を読み終えようとしていたとき、夜、CSのチャンネルを回していたら、若かりしころの松田優作が青白い、のっぺりした顔がでてきた。
 疲れて帰ってきた身としては、観ようという気にはならなかった。
 松田優作という俳優は気になる存在であったが、その無機質的な雰囲気に、こちらの観ようと思う意欲を拒絶されてしまうこともあり、あまり、熱心に観ている存在ではなかった。
 ハードボイルド・ミステリに関心がある者として、大藪春彦原作の『野獣死すべし』、村川透監督の『遊技』シリーズ、テレビの『探偵物語』シリーズなど、もう少し、意識的に観ておけばよかった思っているのだが、松田優作が俳優としての自覚をもち、個性的な役者になったのは、鈴木清順監督の『陽炎座』や森田芳光監督の『家族ゲーム』の頃からだろうか。
 熊谷美由紀との不倫を契機に、松田美智子と離婚をしたのが1981年のことであるが、この当時に、松田は、『陽炎座』(1981年)、『家族ゲーム』(1983年)に出演している。
 『優作トーク』は、松田優作のインタビュー集であるが、『人間の証明』(1977年)の頃から、『嵐が丘』(1988年)のころにかけてのインタビューなので、熊谷美由紀にのめり込み、離婚をするにいたった経緯についても、丁寧に話しているし、俳優の仕事、監督の仕事についても、自分の考えを整理しながら応えている。
 同じことについて、時には、矛盾しているような話をしているのだが、考え続けることによって、そのとき、そのときに辿り着いた思いを真摯に語っているからのことだと思われる。
 松田優作が亡くなったのは1989年のことであるから、35数年前のことであるが、今、読んでも、ヴィヴィッドにに伝わってくるものがある。
 

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