« 少年スポーツと教育の未来 勝つことよりも大切なこと | トップページ | 『アイスタイム 鈴木貴人と日光アイスバックスの1500日』  »

2014年1月25日 (土)

『フライングガールズ 高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦』

2014年1月23日 『フライングガールズ 高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦』 松原 孝臣 (著) 文藝春秋

 スキージャンプのワールドカップ蔵王大会は、降雪のため2日間ともに、1回の試技しか行われなかった。2日とも、高梨沙羅が1位であった。
 テレビを観ていたら、英語でインタビューを受け、流ちょうではないが、英語で答えていた。
 『フライングガールズ』は、副題にあるとおり、突然、彗星のごとく、登場し、ワールドカップで勝ち続け、ソチ・オリンピックの表彰台に向かっている高梨沙羅を描いた現在進行形のノンフィクションである。
 オリンピックに初めて登場する女子ジャンプの日本代表には、高梨沙羅(17歳)、伊藤有希(19歳)、山田優梨菜(17歳)と10代の3選手が選ばれた。
 オリンピックのメダル騒ぎに、狂奔する報道に、辟易しているのだが、雪国の小さな町で、世界を目指して黙々と練習をしている子ども達のこと考えると、脚光を浴びることもいいことであるし、活躍してほしいと思う。
 『フライングガールズ』は、ソチ・オリンピックの便乗本に見えるが、女子のジャンプを先陣となって、切り開いてきた山田いずみ、葛西賀子、渡瀬あゆみたちの苦闘、そして、彼女たちを支え続けたコーチの渡瀬弥太郎のことをきちっと描いている。

 全日本スキー連盟は、2013年2月14日、ノルディック•ジャンプ女子日本を率いる渡瀬弥太郎チーフコーチの辞任を発表した。新聞は、「来年のソチ冬季五輪でメダル獲得が有望な髙梨沙羅らを教えた指導者のシーズン途中での異例の退任。背景にはコーチ業の傍ら生活を維持しなければならないという厳しい経済的事情があつた。」と報道している。
 高梨が表舞台に登場する前には、中学生ジャンパーとして活躍していた伊藤有希がいる。個人的には、伊藤の方に注目していたのだが、高梨の活躍とは裏腹に、伊藤の高校時代は目立った成績を残すことができないでいた。
 人づてに、身体が大人になるにつれ、身体のバランスが変わってきたからではないかと聞いていた。昨年、伊藤の出身地である下川町で、ジャンプの指導している人から、高校を卒業し、社会人となった伊藤が、国内で、じっくり充実したトレーニングをしているので、期待できるという話も聞いた。
 それだけに、昨年あたりから、復活してきた伊藤の姿を、高梨の横に観ることが多くなった。伊藤は、高梨の活躍をみながら、何を思っていたのだろうか。
 
 『フライングガールズ』には、写真家・積紫乃が長年にわたり、撮影した女子ジャンプの選手たちのくったくのない写真がたくさん掲載されている。
 この写真を眺めていると、外界の様々なできごとも関係なく、彼女たちがジャンプを楽しんでいることが伝わってくる。
 いい写真である。この写真だけでも買う価値のある本である。

|

« 少年スポーツと教育の未来 勝つことよりも大切なこと | トップページ | 『アイスタイム 鈴木貴人と日光アイスバックスの1500日』  »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『フライングガールズ 高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦』:

« 少年スポーツと教育の未来 勝つことよりも大切なこと | トップページ | 『アイスタイム 鈴木貴人と日光アイスバックスの1500日』  »