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2014年4月16日 (水)

『アイスタイム 鈴木貴人と日光アイスバックスの1500日』 

『アイスタイム 鈴木貴人と日光アイスバックスの1500日』 (伊東 武彦講談社)」 (著)

 このところ、立て続けにウィンタースポーツを扱った本を読んでいる。
 女子ジャンプの『フライングガールズ 高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦』(松原孝臣、文芸春秋刊)、アイスホッケーの『アイスホッケー女子日本代表の軌跡 氷上の闘う女神たち』(神津伸子、双葉社)、それに、ボブスレーの『下町ボブスレー』などである。
『下町ボブスレー』と題する本は、2冊でており、平行して読んでおり、コンセプトもにているので、頭の中がこんがらかってきています。
 昨年来のアイスホッケー連盟のごたごたから、アイスホッケー競技への関心から、昨年、購入していた『アイスタイム 鈴木貴人と日光アイスバックスの1500日』を探し出して、読み出したが、これがまた、すごぶる面白い。
 といっても、アイスホッケーに関する知識もなく、ましてや、鈴木貴人という選手のことも知らなかった。
 アイスホッケーといえば、高校時代、同級生に勧誘されて、東神奈川のスケートリンクに連れて行かれたことがあったが、朝の5時から練習と聞いて震え上がり、即断念したことを思い出す程度。東伏見と東大和のリンクは、比較的、近いところにあるが、こどもが通っていたスポーツクラブで、スケート遊びに同行した程度で、テレビ以外に、アイスホッケーの試合は観たこともない。
 そういえば、数年前に、セルシオ越後さんから、名刺をもらったときに、「日光アイスバックス」の記載があり、サッカー以外のスポーツを応援しているのだと感銘したことは覚えている。
 
 鈴木貴人は、1975年生まれ、小学生時代から、アイスホッケーを始め、駒大苫小牧高校から、東洋大学に進み、日本リーグの名門チーム「コクド」に入社し、その後、西武鉄道と合併した「SEIBUプリンスラビッツ」で選手として活躍していたが、西武鉄道というよりも、ワンマンオーナーの堤義明氏の不祥事により、所属チームは2009年廃部という憂き目になる。
 一方、日光アイスバックスは、1999年、古河電工アイスホッケー部の廃部に伴い、市民クラブとして、誕生したプロチームである。経済基盤の弱いアイスバックスは、絶えず、資金不足に悩まされ、その結果、成績不振、不人気という問題を抱えていたし、現在も、まだ、脱却できていない。
 この本は、鈴木貴人という選手を通して、日本のアイスホッケーがおかれている状況を垣間見せてくれるし、アイスホッケーというスポーツのもつ魅力も教えてくれる。
 ちなみに、「アイスタイム」というのは選手が氷上で戦っている「とき」を指しているとのこと、セットで交代を繰り返すアイスホッケーらしいいい語感のことばである。
 
 中でも、興味深いのは、同様に、不人気であったが、プロ化し、自立しているプロサッカーと対比しながら、アイスホッケーの世界を描いているところである。Jリーグの創設を牽引した川淵三郎氏も古河電工出身であることを考えるとその対比はいといろ考えさせられる。サッカーとアイスホッケーという競技の違いなのか、旧態依然とした競技運営しかできなかったアイスホッケーという競技団体のせいなのだろうか。

 昨年来のアイスホッケー連盟の内紛をみていると、先行きは暗いようにも思えるのだが、日光アイスバックスの応援を買ってでたセルジオ越後やアイスバックのチーフオペレーティングオフィサーを日置貴之の存在は興味深い。
 特に、日置は、ヨーロッパのサッカーやアメリカンフットボールの世界で仕事をし、現在は、吉本興業の関連でスポーツやエンターテイメントの世界で活動しながら、アイスバックの運営に新機軸を打ち出しているようである。このような人材がスポーツの世界に入ってくると、スポーツも地域ももっと、活性化してくるのではないかと思っている。
 
 さらに、興味深いのは、アジアリーグの存在である。日本のスポーツを活性化するには、日中韓の東アジアやタイ、シンガポールなどの東南アジアとのスポーツリーグをもっと積極的に行う必要がある。ようやく、サッカーがアジアの方を向いて動き出しているが、野球はアメリカの方しか向いていない。
 アイスホッケーの場合は、国内企業チームの撤退により、リーグ戦を行うことができないという状況が後押しになってのであろうが、2003年から、日本、中華人民共和国、大韓民国、ロシア連邦(極東地域)の4カ国のアイスホッケー連盟のクラブチームによる国際リーグ戦を行っている。アジアリーグの先駆けとしてもっと注目されていいはずであるし、新機軸を生み出す要素をもっている。アイスホッケーのオフ・シーズンの間、その基盤を利用して、他のスポーツと連携するというのも面白いとおむのだが、どうでしょうか。

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